WBアートとは?仕組み・費用・耐久15年を職人が解説

WBアート(WB多彩仕上工法)とは、専用ローラーで複数の色を重ねる外壁塗装の仕上げ工法です。レンガやタイルのような立体感を再現できます。単色で塗りつぶす一般的な塗装と違い、新築時の風合いを活かしたまま塗り替えられます。この記事は、WBアートの仕組みから費用・耐久性・施工店の選び方までをまとめた総合ガイドです。

山形県庄内エリアで外壁の塗り替えをお考えの方に向けた内容です。単色塗装もWBアートも両方手がける職人の視点で、中立に解説します。

この記事でわかること

  • WBアート(WB多彩仕上工法)の仕組みと3つのメリット
  • デメリット・単色塗装・クリヤー塗装との違い
  • 費用相場・種類(F/Si/フラット)・施工の流れ
  • 失敗しない施工店の選び方と、向いている家の特徴

WBアート(WB多彩仕上工法)とは?

WBアートとは、塗料メーカーのスズカファインが開発した多彩仕上げ専用の塗装工法です。ベース色の上に専用ローラーでアクセント色を重ね、1色では出せない奥行きと素材感をつくります。

正式名称は「WB多彩仕上工法」。窯業系サイディング(セメント質を主原料とした板状の外壁材)の塗り替えに向いた工法として広まりました。下の図は、一般的なエナメル塗装(色を塗りつぶす不透明な塗装)とWB多彩仕上げの塗膜を比べたものです。

WB多彩仕上塗膜と一般エナメル塗膜の劣化を比較したイメージ図
一般エナメル塗装とWB多彩仕上げの塗膜の違い

仕上がりは、まるでサイディングを張り替えたような質感。レンガ調やタイル調の外壁を、風合いを残したまま塗り替えられる点が最大の特徴です。私が現場でお引き渡しをすると、塗り替えなのに「新品みたい」と驚かれることも珍しくありません。

WBアートの仕組み|なぜ長持ちするのか

WBアートが長持ちする理由は、高耐候タイプの酸化チタンと、最上層の透明クリヤーにあります。二重の備えです。見た目だけでなく、耐久性まで計算された工法といえます。

まず、外壁が傷む一番の原因を押さえておきましょう。塗膜は紫外線を浴び続けると、樹脂そのものが劣化します。白い顔料である酸化チタンには、この分解を後押しする働きもあります。

やがて現れるのが、手で触ると白い粉がつくチョーキング(白亜化)です。一般的なサイディングでは、塗装後およそ10年で出はじめる劣化のサインになります。

WB多彩仕上げでは、光触媒作用を抑える表面処理をした高耐候タイプの酸化チタンを使います。そのうえで表面を透明クリヤーで覆う二重構造が、この工法の持ち味です。模様の層自体はやわらかく傷みやすいのですが、クリヤーが盾の役割を果たします。美しさと耐久性を両立できます。

現場での目安は、クリヤーに守られた塗膜でおよそ15年です。単色のクリヤー塗装と同等以上の耐久を見込めます。

WBアートの3つのメリット

WBアートのメリットは、デザイン性・耐久性・コーキング保護の3つに集約されます。塗膜の構造から順に見ていきましょう。

WBアートの多層構造(下塗り・中塗り・模様塗り・クリヤー)の図解
WBアートの多層構造

1. 張り替えたような高いデザイン性

最大の魅力は、単色では出せない立体感です。専用ローラーでアクセント色をのせ、レンガ調やタイル調の表情を再現します。新築時に近い色をカタログから選べるため、元の雰囲気に戻したいという要望にも応えられます。

2. 透明クリヤーによる耐久性

一番上の透明クリヤーが、そのままクリヤー塗装と同じ保護層になります。フッ素系やシリコン系の樹脂が劣化の再発を抑え、耐久性は単色塗装に引けを取りません。

3. コーキングまで長持ち

コーキングとは、外壁パネルの継ぎ目を埋める弾力性のある目地材のことです。WBアートは色をのせる工法のため、サッシまわりのコーキングの上にも塗膜がかかります。紫外線に直接さらされにくくなり、目地の寿命も延びやすくなる点は見逃せません。

WBアートのデメリット・注意点

メリットの大きいWBアートですが、注意点もあります。費用が単色より高く、施工できる業者と外壁が限られる点は、先に知っておいてください。

工程が一つ多いぶん、単色塗装より金額は上がります。安さだけを優先する方には向きません。さらに専用ローラーの扱いには技術が必要で、経験の浅い職人が塗ると模様が均一に出ないこともあります。だからこそ実績のある業者選びが、仕上がりを大きく左右します。

もう一つ大切なのが外壁との相性です。メーカーの説明でも、凹凸の激しいサイディングは模様が乱れやすいため不向きとされています。推奨されるのは、柄が比較的平坦なサイディングです。サイディングそのものの劣化の見分け方や費用相場は、サイディングの外壁塗装|劣化5サインと費用相場でまとめています。

目地の上に塗膜がかかるぶん、コーキングが大きく動くと塗膜に細いヒビが入ることもあります。打ち替えを先に行うのは、このためです。

ご自宅が対象になるかは、現地調査での確認が前提になります。判断に迷う部分は、遠慮なくお尋ねください。

単色塗装・クリヤー塗装との違い

WBアートと他の塗り替え方法の違いは、「素材感が残るか」と「対応できる劣化の範囲」の2点です。まずは写真で見比べてみてください。

新築時・単色塗替・WB多彩仕上工法による塗替後の外観の比較写真
単色塗替とWB多彩仕上工法による仕上がり比較

単色塗装は目地も柄も塗りつぶし、のっぺりした印象になります。柄入りサイディングを1色で塗ると、せっかくの立体感が消えてしまうのが弱点です。

一方の透明クリヤー塗装は柄を活かせますが、劣化が進んだ壁やコーキングが露出した壁には使えません。WBアートは色をのせるので、そうした傷んだ壁でも風合いを再現しながら塗り替えられます。

方法 仕上がり 柄の再現 傷んだ壁
単色塗装 1色でフラット 塗りつぶす 対応可
クリヤー塗装 元の柄のまま できる 不可
WBアート 立体感・素材感 できる 対応可

単色塗装との違いは、費用・耐久・向き不向きまで踏み込んで比較しています。単色塗装とWBアートの違い5つの記事も、あわせてご覧ください。

WBアートの費用相場|単色塗装との差額の目安

WBアートの費用は、外壁塗装の部分で単色シリコン塗装のおよそ1.2〜1.5倍が目安です。屋根や足場まで含めた総額では、20万〜50万円ほどの上乗せになるケースが一般的です。

まず土台となる数字を押さえましょう。30坪前後の戸建てを想定します。屋根・外壁・足場・コーキング打ち替えまで含めた工事です。単色シリコン塗装の総額は、およそ120万〜160万円が相場になります。

WBアートは、ここに前述の上乗せが加わります。30坪前後でWBアートを選んだ場合の総額は、およそ140万〜210万円が一つの目安です。工程が増え、職人の技術と時間が必要になるためです。

建物の大きさ・劣化状況・グレードで金額は変わります。正確な数字は現地調査での見積もりが前提です。内訳や設計価格の考え方は、費用の専用記事で掘り下げます。

見積りが相場に合っているか不安な方へ
渡会塗装店では現地調査・お見積もりを無料で承っています。庄内エリアなら、まずはお気軽にご相談ください。

WBアートの種類(F・Si・フラット)

WBアートには樹脂のグレードや艶の違いで種類があります。耐久性重視ならフッ素系(F)、コストとのバランス重視ならシリコン系(Si)が基本の選び方です。

ここでは、当店で扱いの多い3タイプを紹介します。このほかのタイプは、メーカーカタログでご確認ください。

種類 樹脂・特徴 耐久のめやす
WBアートSi シリコン系・バランス型 約10〜15年
WBアートF フッ素系・高耐久 約15〜20年
WBアートフラット 艶を抑えた落ち着いた質感(専用12色) 約10〜15年(Siベース時)

メーカー資料によると、艶を抑えたい方にはフラットタイプが用意されています。落ち着いた標準色12色から選べます。庄内エリアは冬の風雪が厳しいので、私たちは耐候性の高いグレードをご提案する場面が多いです。種類ごとの詳しい違いは、専用記事で解説します。スズカファインの公式カタログ(WBアートシリーズ・PDF)もあわせてご確認ください。

WBアートの施工の流れ|4工程を職人が解説

WBアートは、下塗り・中塗り・模様塗り・クリヤーの4工程で仕上げます。単色塗装より一工程多いのが特徴です。

塗り始める前に、足場の設置・高圧洗浄・下地補修・養生を行います(約4〜5日)。そのあと、塗装の4工程に入ります。日数は30坪前後の戸建てを想定した目安です。

  1. 下塗り:下地を固めて塗料の密着を確保します(約1日)
  2. 中塗り(ベース色):仕上がりの土台となる色をムラなく塗ります(約1日)
  3. 模様塗り:専用ローラーでアクセント色をのせる、最も技術を要する工程です(約1〜2日)
  4. クリヤー:透明の保護層で紫外線と水を防ぎます(約1日)

とくに肝になるのが模様塗りです。色素の粒が小さすぎると多彩感が出ず、大きすぎるとムラが目立ちます。力加減とローラーの向きをそろえる技術が要る、多くの職人が難しさを感じる工程です。

工程の合間には乾燥時間も挟みます。単色塗装より数日長く、足場の設置から撤去まで全体でおよそ2〜3週間が目安です。工程ごとの詳しい解説は、施工方法の記事で紹介します。

失敗しないWBアート施工店の選び方

WBアートで後悔しない一番のコツは、スズカファインの認定施工店で、かつ自社施工の業者を選ぶことです。仕上がりは塗料より職人の腕で決まります。

WBアートは認定を受けた施工店だけが扱える工法です。まずは対応可否を確認してください。そのうえで、下請けに丸投げせず自社の職人が塗る会社なら、責任の所在がはっきりします。見積もり時に確認したい項目を、下にまとめました。

施工店に確認したい5つのチェック項目

  • スズカファインのWBアート認定施工店か
  • 完全自社施工か(下請けに出さないか)
  • 施工中の進捗をLINEや写真で報告してくれるか
  • 色決めで試し塗り・サンプル確認ができるか
  • 見積書に下地補修とコーキングの費用が明記されているか

とくに大切なのが、複数社から見積もりを取る姿勢です。安い買い物ではありません。相見積もりで、金額と説明の丁寧さを見比べてください。

私たちが手がけた塗り替えは、渡会塗装店の施工実績でも公開しています。仕上がりの雰囲気を確かめてから、ご相談ください。

WBアートはこんな家におすすめ

WBアートは、柄のあるサイディング外壁で、新築時のデザインを気に入っている家に最も向いています。ご自宅が当てはまるか確認してみてください。

目安は、築10〜20年でチョーキングやコーキングの傷みが出はじめた家です。レンガ調・タイル調・石目調のサイディングとは、とくに相性が良い工法になります。

「単色では物足りない」「クリヤーは無理と言われた」という住宅でも、風合いを再現できます。反対に、元の柄が無いモルタル外壁には向きません。多彩仕上げの利点が活きないためです。凹凸の激しいサイディングや、費用をとにかく抑えたい方も、単色塗装のほうが合うでしょう。

現場では、外壁材と劣化症状を見てから最適な工法をご提案しています。塗り替えが初めてで進め方から知りたい方は、初めての方へもあわせてご覧ください。

WBアートをもっと詳しく(関連記事)

このガイドではWBアートの全体像をまとめました。テーマ別の詳しい記事も、順次公開していきます。

庄内エリアでWBアートをご検討の方へ
渡会塗装店では現地調査・お見積もりを無料で承っています。まずはお気軽にLINEまたはお電話でご相談ください。

よくある質問

WBアートについて、お客様からよくいただく質問をまとめました。

Q1. WBアートとクリヤー塗装はどちらが良いですか?

外壁の状態によります。劣化が軽くコーキングが健全なら、クリヤー塗装が向いています。傷みが進んでいたり柄を再現したいなら、WBアートを選んでください。

Q2. WBアートの耐久年数はどのくらいですか?

選ぶグレードによって、おおむね10〜20年が目安です。フッ素系(F)は約15〜20年と長く、シリコン系(Si)は約10〜15年で費用を抑えられます。

Q3. 単色塗装より費用はどのくらい上がりますか?

一般的に単色シリコン塗装の1.2〜1.5倍、金額で20万〜50万円ほどの上乗せが目安です。建物の大きさや劣化状況で変わります。

Q4. 元の外壁の色に近づけられますか?

近づけられます。カタログから元の色味に近い組み合わせを選び、試し塗りで確認しながらご希望に沿った風合いを再現します。

Q5. どんな外壁にも施工できますか?

多くのサイディング外壁に施工できます。ただし凹凸が激しいサイディングや下地の傷みが強い場合は、補修や別工法を先に検討します。現地調査で判断します。

Q6. WBアートはどんな工程で塗りますか?工期は長くなりますか?

下塗り・中塗り・模様塗り・クリヤーの4工程で仕上げます。模様を均一に出す手間がかかるぶん、工期は単色塗装より数日長めになります。

Q7. 冬でもWBアートは施工できますか?

庄内の冬は気温と湿度の条件が合わない日が続くため、11月〜3月は工程が延びやすくなります。春から秋のご依頼が確実です。冬のうちに現地調査だけ済ませておく進め方もできます。

Q8. 庄内エリアでWBアートに対応していますか?

対応しています。渡会塗装店は鶴岡市を中心に、庄内エリア全域で完全自社施工しています。お気軽にお問い合わせください。

まとめ

WBアート(WB多彩仕上工法)は、素材感を残したまま外壁を塗り替えられる多彩仕上げです。単色では消えてしまうレンガ・タイル調の風合いを再現でき、透明クリヤーで耐久性も確保します。

費用は単色より上がります。ただ、デザイン性・耐久性・コーキング保護まで含めて考えると、満足度の高い選択肢といえます。成否を分けるのは、認定施工店で腕のたしかな職人に任せられるかどうかです。庄内エリアでWBアートをご検討中なら、完全自社施工の渡会塗装店までお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

渡會 至(わたらい いたり)
渡会塗装店 代表 / 職人歴30年
山形県鶴岡市を拠点に、庄内エリア(鶴岡市・酒田市・三川町・庄内町・遊佐町)で外壁・屋根塗装を手がける職人。完全自社施工にこだわり、WBアート(WB多彩仕上工法)認定施工店として数多く施工してきました。